我的大熊猫旅行

主にパンダ遠征記録、パンダ記事が中心、時々歴女やグルメレポな記録もあり。

2024/02/18 大人のための動物園講座2024@王子動物園

AM8時54分、王子動物園到着。

開園前から長蛇の列!日曜日だからだろうか。

能登半島地震で被災したのとじま水族館へ、心ばかりの金額ではあるが募金した(左の募金箱)。ジンベイザメが生き残れなくて残念だった。人間だけではなく動物も被災者だ。

タンタンおはよう!

動物資料館へ。

今日の目的は、大人のための動物園講座参加だ。

ダメ元で応募してみたけど、当選することができた。

この「大人のための動物園講座」は、今年で44回目を迎えるそうだ。コロナ禍で3年ほど開催していなかったが、今年から復活したようだ。この講座へは初参加となる。動物サポーター向けのイベントも復活してくれるといいなぁ。

とても充実した内容で楽しめた。備忘録として簡単にまとめておく。

冒頭、飼育員に一番必要な能力は何かと投げかけられた。体力?なんて思ったが、「観察力」だそうだ。言われてみればそうだ。

各担当飼育員さんからのお話で、①猫長屋のおはなし(中型ネコ)②STAFFジャンパーを着て感じた目線(鳥類)③小猿舎ライフ④タンタンの日常(高齢ジャイアントパンダのケア)の構成だった。最後に、現在来日中の中国パンダ保護研究センターの獣医師による「飼育下パンダの遺伝的多様性」について講演いただいた。

現在王子動物園内では、マヌルネコ、シベリアオオヤマネコ、ボブキャットの中型ネコを飼育している。間もなく日本で迎えるネコの日(2月22日)にちなんで、この日はネコたちにモルモット、キリン、シマウマの匂いを付けた麻袋を用意し、どのような反応を示すのかというイベントが開催されていた。私は時間がなくて見ることができなかったが、snsによるとスリスリしたりとリラックスしていたようだった。これは嗅覚への刺激をすることで、狩猟本能を駆り立てるという環境エンリッチメントの一環として実施したようだ。なお猫の日は全世界共通ではなく、ヨーロッパでは2月18日、ロシアは3月1日、アメリカは10月29日らしい。

小猿舎では、フサオマキザル、ブラッザグエノン、ワオキツネザル、ボビリアリスザル、コモンリスザルの5種類が飼育されている。実はまだ小猿舎をじっくり観察したことがなかった。講座終了後、飼育員さんに言わせるとケンカっ早くて血の気が多いというコモンリスザルを少し見たが、めちゃくちゃ小さくて驚いた。ボビリアリスザルと似ているようだが、コモンリスザルより気が強く、頭の色が黒くないのが特徴のようだ。

他の小猿舎の特徴は、飼育員さんに言わせると、フサオマキザルは遊びの天才で、ブラザグエノンは強がり怒りん坊、ワオキツネザルはのんきさん、ボビリアリスザルはフレンドリーだそうだ。またサルたちが脱水症状を起こした時は、人間と同じく経口補水液を使うのが意外だった。

タンタンについては、毎日Xで発信される情報とごろごろパンダ日記の内容とほぼ同じだったので、特に目新しい内容ということはなかった。公開できない内容もあるのだろう。中国から来日中の獣医さんの話はなかなか興味深かった。中国パンダ保護センターでは、飼育下の選ばれた雌パンダを野生に放し、野生の雄パンダとの交配を確認後、改めて雌を飼育下へ連れて帰ってくるという取り組みを2017年から行っているようだ。そのような取り組みを行っているのは聞いたことがあったが、具体的な内容までは知らなかったので、今回知ることが出来てよかったと思う。その取り組みによって、今まで14頭のパンダの子供が産まれ、12頭が生き残っているようだ。最初に成功したのが、チャオシャオというパンダだそう。それに獣医さんも関わっていたそうで、写真も公開してくれた。その時チャオチャオが出産したのが、チャオイーとチャオリャンという双子じゃなかったかな。チャオイーの方は確か既に出産を経験したはず。

中国の獣医さんの話はもちろん通訳付きだった。通訳の方も中国人だったので、出席者から質問が出た時、その質問の内容が理解しにくかったようだ。司会者の王子動物園の獣医さん(タンタンの診察も行っている)が、通訳に改めて簡潔な日本語で伝えて上手くフォローしていたのが印象的だった。やはり言語って難しいと思った。

9時40分から始まった講座も終了したのは、12時近かった。あっという間だった。

図書館前に横尾美々氏によるタンタンの絵の新作が掲示されていた。

動物資料館で開催中の「干支展」へ立ち寄った。

日本各地の民芸品。こういうの好きだ。

講座で飼育員さんが話していたが、動物と人間との距離感はとても大事だ。

住宅地へ出てくるクマやイノシシ、シカなど。人間を怖がらなくなっているのも問題だ。それは手入れされなくなった里山などに原因があるようだ。高齢化が進み人口減少が加速化し、若い人は都会へ出て行ったきり、戻ってこないことも多い。そうなるとますます里山は荒れ放題だ。飼育員さんの話で、空家をなくすことも大事だとあった。関係なさそうに思ったが、空家の木やそこから生える植物をクマが好んで食べたりするそうだ。空家も社会問題だ。近隣でも空家がハクビシンなどの棲み処になってしまっているところもある。実はとても身近な問題だったのだ。

「動物との共存」について改めて考えさせられた今日の講座だった。

動物園で飼育されている動物を観察するのは楽しいが、彼らが置かれている自然下での環境を考え、日々の生活を送りたいと改めて思った。